そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

顔に出る

 「兄ちゃん」先輩とエレベーターで一緒になって、近況をきかれる。

 まあいろいろありますけど。
 とこたえると
 「そうなの?」
 と、納得したような納得してないような顔。

 そして、ちょっとだけ間が空いて
 「目が泣きはらしたみたいになってるけど大丈夫?」

 …もしかして、泣きはらしたと思ってるのだろうか。
 それは、もうけっこう前のことなんだけどな。

 単に、ここ数日の疲れがむくみとなって出てるみたい。
 あるいはメイクの色味のせいか。 
 年頃の女にとっては間接的にでも「むくんでるよ」といわれることは
 けっこうショックなことなんだけど(笑)。

 兄ちゃん先輩は、それ以外にも「妙に顔が白いけど大丈夫?」
 と聞いてきたり、何かにつけ私の顔を見て近況をはかろうとする。
 ありがたいけれど、兄ちゃんが心配してくるタイミングは、いつもちょっとだけずれている(笑)。
 だいたい、精神荒廃状態をちょっと抜け出したあたりでいわれるのだ。
 でもどんぴしゃのタイミングでいわれて、おさえきれなくなるのもいやだから、
 兄ちゃんのこのちょっとずれた鈍さは、時としてありがたい。

 けれど兄ちゃんが心配してくれる事情を抱えたままなことにはかわりがないので、
 少しでも、兄ちゃんが心配しなくてすむように、状況をかえることができたらいいんだけど。

 きかれたときに、私幸せ、と、屈託なく言ってあげられたらいいのにな。