そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

読め読め本

 上司は仕事熱心で勉強熱心なひとである。部下としては身が引き締まるし心臓が縮こまる思いなのだが、刺激を受けることも多い。読んでおいたほうがいい本を教えてくれたり(でも読みきれてません、スンマセン)時には机にそっと?置いておいてくれたりする。

 そんな上司の新・お勧め本が漫画家吾妻ひでお失踪日記
 吾妻ひでおがどんなマンガを描いてるか知ってる人も知らない人もとにかくひきこまれずにはいられないだろう。帯には「全部実話です(笑)」とある。(笑)とあるけれど、(笑)とつけなければやりきれないようなすさまじき漫画家・吾妻ひでおの失踪中の生活ぶりがみっちりとつまっている。このマンガの中で吾妻ひでおは野宿をし、ガス管工事をし、そしてアル中になる。

 とてつもない作品を読んだときって生半可な感想はいえなくなる。
 失踪やアル中をのりこえ再び創作生活に戻った吾妻ひでおの生命力そして、自分と他者との双方に向けるクールな視点こそが、この作品の凄み。
 こりゃ有無を言わせずとにかく読めとしか言えないんである。

 貸してくれた上司には感謝。自分でも買います。
 ちなみにけっこうなオタクちゃんだったわたしはむかし今はなきみのり書房の「OUT」という雑誌を買っておりまして、吾妻ひでおはそこで知ったのだった。『失踪日記』にもこのみのり書房の編集者がちらりとだけ出てくるが、吾妻にとって大切な存在だったのだなとわかる。「OUT」好きだったなあ。最終号持ってますよ。アニパロコミックスも買ってた!というなつかしオタク少女時代。

 オタク時代の思い出もそのうち描くか…。

 それはさておき吾妻ひでおの『失踪日記』はとにかくお勧めです。
 いのちの凄みにただ圧倒されるばかりです。5冊くらい買っていろんな人に布教してもいいくらい。でもいきなり渡されたらいやだろうなあ(笑)。読んでもらえば感謝されるとは思うけど。