そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

自分対談1

「どうですか最近は」
「まあぼちぼちですね」
「どうぼちぼちなんですか」
「つっこむなあ。うーん、まあ幸せ、なのかなあ」
「このやろーーーー」
「笑顔で殴るのやめてもらいますか 痛いので」
「痛さが染みるでしょ」
「そうですね、ずぶずぶに浸れる無邪気な幸せではないので」
「深刻なほうにきましたね」
「早いですかね」
「もうちょっとあとでもいいんじゃないですか」
「そうですね。じゃあ、何をはなせばいいんですかね」
「とりあえず、最近ロマンチストとかいわれてちょっといい気になってるんじゃないかというツッコミをいれてもいいですか」
「やめてくださいよ。でもまあ本質がロマンチストだということを認めたらラクになったのは事実ですね。今までは、もっと、こう、かわいげのない、現実主義者だというふりをしてたので」
「特に、かなり男性に対してのシールドがありましたよね」
「まあ今もありますけどね〜、今までは男性に対してロマンチストである自分を出すのは戦略的な感じだったんですよ。どこか、まあ、こんなもんだろう、というのが。戦略といっても、全く勝ってないので、意味はないんですが」
「勝ってないよね(笑)。どの口が戦略とか言ってるの」
「それが、もっと本来の自分になったというところですね。ロマンチスト自体恥ずかしいことだし、本来の自分を出すのも恥ずかしいことなんだけど、そこで隠しててどうするの?って開き直れたというか。だから、そういう部分をわりと素直に男性に対して出せるようになったということかと思います」
「なるほど。それが最近の色ぼ…失礼、こう、ロマンチックな内容の日記にかわってきた理由ですか」
「なんか、今色ボケっていわれた気がするんですけど」
「気のせいです。一言でいうと、まあ恋してるわけですよね」
「うぎゃ! 文字にすると恥ずかしいものですね。でもまあ自分で決めたことなので向き合っときますか」
「そのわりに冷静な部分も多々あると思うんですが」
「うーん、それはまあ本来の自分の性格もあるかと。そもそも、恋愛に対する経験値が低すぎるので、慎重にいってるというか、今起きてる自体がどういうことなのか考えながら進んでる状態だからかもしれません」
「占いで恋愛に対する執着心が少ないとかいわれてましたよね」
「そうなんですよね。でも執着心が少ない、ってのは違うと思うんです。恋愛に対する執着心以上に、自分を守ろうという気持ちが強いから、トータルした結果執着してないように見えるだけで、実際にはかなり執着してると思います」
「今はどうですか」
「うーん。未来のことはわからないんですけど、未来がないような気はちょっとしてますね」
「うまくいかないということですか」
「うまくいくという言葉にはいろんな意味があると思いますが、まあ、そうかなあ」
「不安なんですか。何が不安なんですか」
「ひとつは、やっぱり経験値が低いことですね。もうひとつは、内緒にしてることなので。なんとなく、内緒にしている恋ってのはろくなことがない、というのは、少ない人生経験のなかで他人を見てても感じることなんですよ」
「それは倫理的なこととか」
「まあこう見えてモラリストなので、倫理的な面から思うことはもちろんあります。ただ、倫理とは別に、隠しておくっていうことのスリルで盛り上がっちゃうところもあるじゃないですか。あと、隠しておく理由がある場合、隠されてるほうはあんまりいい気分じゃないですよね。なんとなく言う機会がなかったとかならいいんですけど」
「ああ、まあ、自分の恋愛のことをいわないけど、ごくふつーの幸せになってる人もいますしね」
「でも自分の場合はやっぱり隠さなきゃって思ってるし、それは相手もそうだと思うんです。そして、そのことをちょっと楽しんじゃってる部分もある」
「そうですか。それはどっちがそうなんですか」
「うーん。私は、隠そうとしても、だだもれるタイプだし、だだもれたときにすごく凹むから、あまり楽しめてないと思います。だから、やっぱり相手のほうが、そうなのかな。そのことを楽しんでるというと語弊がありますが、そのことを意識してる部分は相手のほうが強い気がします」
「それはわるいことなんですかね」
「どうなんでしょう。でも、私よりよっぽど無邪気な気もしますねー。たまにちょっとはらはらしちゃう」
「だだもれてることに気がつかないってことなんですか?」
「そうですねー。勘ぐる人というか、ちょっと気がつく人ならすぐにわかっちゃうと思うんですよね。気持ちにしても関係にしても。というか私が気付くタイプなので(笑)、第三者的に見ると、すぐわかっちゃうんじゃないかという気がします」
「気になるところですが、長くなったので、ちょっとここでCMはいります」