そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

自分対談3

「はい、じゃあまた続きです。えー、と、他に、サインみたいなものはあったんですか」
「いま思えば、ですね。それは相手には確認してないんですけど」
「相手はあなたからのサインって感じてたんですかね」
「うーん。というか、あ、そこのサインはわかってたんだというか」
「なに確かめてんだよー」
「殴らないで」
「はー。なんかむかつきます。われながら。まあ殴った拳が痛むだけなのでやめましょうか。でも、やっぱりサインとしてはっきりわかるもんでもなかったんですよね」
「そうですねー。まあ出張先からのおみやげとか、他の人にもあげたりしてますしね」
「それはその人たちにも好意があったってことじゃないですか…あ、今地雷踏みましたね」
「そうなんだよー。そこはねー。でもそういうことを言う資格はないですから」
「でも、彼自身もあんまりお土産に他意はなさそうですよね、とフォロー」
「だから言ってるじゃないですかっ」
「じゃあ、ちょっと不穏な空気になってきたので…。サインというか、もう、これははっきりそうなんじゃないか、と思ったのはどういうことがきっかけですか」
「メールのレスが早くなったことかなあ…。前は、即レスではなかったのが、そうじゃなくなったり。あと、私からメールを出さないと、かえってこなかったのが、向こうからメールがきたりとか」
「必死こいて用事作ってメールしてたのにねえ、進展したよねえ(涙)」
「そうだねえ(涙)。あとメールの文面がかわった、ことですね」
「それは?」
「敬語じゃなくなったり」
「あー。mixiで書いてたアレね」
「ちょっと前から敬語じゃないときもあったはあったんですけど。そのころに、ああ、ちょっと好意もってくれてるのかな、と思い出したりは」
「まあ恋愛的じゃない好意でしたよね、そのころはね」
「だと思います。でもそれが嬉しかったのよ。かわいいもんです。あと、内容ですね。ちょっと、お互いを意識してるようなメールになりましたね」
「それはどんなですか」
「それまでは仕事の話と動物の話しかしてなかったのが、それ以外の話になったことと、より内面的なことにつっこむようになってきたことかなあ」
「それは、朝までお茶してたことが大きいんじゃないですか」
「でしょうねー。それは大きいでしょう。そこではじめてわかった面もあるし」
「気が合うんですよね」
「そうですねー。今まで好きになった人って、気が合うっていうのはあんまりなくて、その人が好きだから、その人のことを理解しようと一生懸命だったんだけど」
「でも逆にわかる分だけ、わかるようになった分だけ辛い部分もあるのでは」
「見えちゃう部分はありますね。見えないとかわからなければ、自分で想像して補充してた部分が理解できてしまう部分というのはある。だから、ちょっと気を使いすぎてしまう」
「むこうもすごい気を使ってるよね。喧嘩はしますか」
「してないですねー。喧嘩になったらおわりだという予感はあります。喧嘩するとしたら、私から仕掛けて、私が切れて、むこうがついてこれなくて、というパターンを踏襲することになると思うので。だから喧嘩にならないようにしてます。でもあんまり喧嘩する要素もないんですけど。できた人だし」
「あなた、男と喧嘩するの得意だもんねー」
「最近はしてませんよ。昔はしなくてもいい喧嘩をいっぱいしてましたけど。喧嘩をするのが愛情表現だったんですよ。たぶん」
「めんどくせー」
「自覚はあります。まあ、これは先輩に鍛えてもらったというか、おまえはめんどくさい女だとはっきり言ってくれる先輩に会えたことが大きいかもしれない」
「うんうん。彼の存在は大きいよね。最近、彼に相談してるんですか」
「相談のしようがないというか…。すごい茫洋とした内容になると思うので、時間もないし」
「ちょっと前だったら、その人のこと好きになってたんじゃないですか」
「どうだろうなあ。彼も気があう人なんですけど、だから好きっていうのじゃないですね。恋愛的な好きという感情をもってはいけない相手というか、そういう感情をもたなくても仲良くなれる人なので、あえて恋愛的な好きをはさむ必要がないかな〜。好きかもと思った時期も一瞬あるんですけど、今の人と比べると好きの種類が違ったなあ、と思います」
「うーん、彼が聞いたら怒りそうですね(笑)。よくオマエはオレの嫁か、とかいってますけど」
「ま、既婚者ですからね。やっぱりふつう恋愛の対象にはならないですね。ただ、そういう、お世話をやいちゃう意味で好きって言うのはあるかも。どっちかというと、今まで好きだった人にタイプが似てます」
「ダメな人が好きでしたよね」
「そうですね〜。今の人は、自分より全然大人なので、世話をやく余地がないですね」
「やかれっぱなしでしょ」
「っぱなしではないけど、自分がおたおたしてるときに、冷静に対処してくれてる感じですね」
「どういうふうにですか」
「いちばん、正しい方法だと思いますよ。つまり、ほっとく」
「ああ」
「私は放任主義の親のもとで育ったので、パニックしてるときにあれこれ指示されるのがダメなんですよね。自分で考えたい。だから、自分で考えるための時間とか環境を保ってくれるのがいちばんで、それをわかってる気がします。まー、放任主義なんでしょうね」
「彼もあんまりとやかくいわれたくなさそうですよね。そういう意味では似ているような。
 あ、じゃあまたCMはいります」