ハートに火なんかつけないでくれ
その人に会うのは久しぶりだったので、はしゃがないように、あらかじめ何日も前から自分に言い聞かせていた。会話も事前に脳内予行演習などもして我ながら「あたしちょっとキモイ」的な感じだったが、ともかくも無事にその人と会った。ふわふわとしているのは案の定はしゃいで浮き足立っているからなのかそれとも寝不足のせいなのかわからなかったけれど。
ともかくも用事をすませ(しかも超事務的な内容)「じゃあ引き続きヨロシクです」的なオトナの挨拶をしてその場を去ろうとしたら「あ、これ」と言って小さな包みを渡された。
日差しの強い異国から帰ったばかりのその人の腕は日に焼けて浅黒い。
その手の中から、ほんのりと薄いアイボリーの紙に包まれたちいさな塊が転がりでて私の手のひらに乗った。
それはまるで色も大きさも繭玉のよう。
受け取ってから一瞬きょとんとする。
思わず顔を見返すと、その人はにこりと笑った。
「お土産です」
「あ、ありがとうございます」
平静を装いながらも、声だけはごまかしきれず少し上ずった気がした。
どうしよう…
何の他意も無いささやかなものだとわかっていても
めちゃくちゃ嬉しい…。
包みの中からはある生き物を象った小さなロウソクが出てきた。
火を灯したらあっというまに溶けて消えてなくなってしまうだろうそれが今の自分の心のようにも思えた。
だから今のまま。ロウソクもこの心も。この形だけ残しておきたい。そう思った。
ちなみに。お土産もらったのは私だけじゃありません。。。
ともかくも用事をすませ(しかも超事務的な内容)「じゃあ引き続きヨロシクです」的なオトナの挨拶をしてその場を去ろうとしたら「あ、これ」と言って小さな包みを渡された。
日差しの強い異国から帰ったばかりのその人の腕は日に焼けて浅黒い。
その手の中から、ほんのりと薄いアイボリーの紙に包まれたちいさな塊が転がりでて私の手のひらに乗った。
それはまるで色も大きさも繭玉のよう。
受け取ってから一瞬きょとんとする。
思わず顔を見返すと、その人はにこりと笑った。
「お土産です」
「あ、ありがとうございます」
平静を装いながらも、声だけはごまかしきれず少し上ずった気がした。
どうしよう…
何の他意も無いささやかなものだとわかっていても
めちゃくちゃ嬉しい…。
包みの中からはある生き物を象った小さなロウソクが出てきた。
火を灯したらあっというまに溶けて消えてなくなってしまうだろうそれが今の自分の心のようにも思えた。
だから今のまま。ロウソクもこの心も。この形だけ残しておきたい。そう思った。
ちなみに。お土産もらったのは私だけじゃありません。。。