そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

ナゾ

その人は謎の人である。

 まず、歳がいくつか知らない。だいたいのところはわかってるけど、「誰誰と同じくらい」ってところまでしかわかってない。

 あと、血液型とか、いわゆる占いの基本データになるようなことを知らない。

 これはかなり歯止めの効く状態なんである。

 頭の中にお花咲いちゃった状態になると、ついつい、暇な時間に相性占いとかやってみたくなるから。でもこの基本データがないと、そういうのができなくて、自分の中の曖昧な感情が形にならなくて済む。

 ところが、ついこないだひょんなことで、生年月日を知ってしまった。(思ってたより5歳くらい若かった…というのはいいとして、) まずい!

 別に、相性占いができるということがまずいのではない。だが、いくつで、どんな世代の人で、どんな時に青春時代を送ったとか、そういう背景がわかってしまうと、自分の中でその人が、どんどん現実的な存在になってしまうのだ。あるいは「この歳でこの言動かー、貫禄あるな/子どもっぽいな」なんて判断もできてしまう。

 それまで、薄い存在だった人が、どんどん肉付けされていく。形がはっきりしてきて、自分の中で大きな存在になっていく。ひとつひとつの情報が増えると、どうでもいい人でなくなっていってしまう。

 ここしばらく、誰かのことを、そういう風に気になる存在としてとらえたことがなかったので、自分でそのことに戸惑ってしまうのだ。