そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

発火B'Z

 ゆーめーじゃないあれもこれもー!というわけで、かけこみで前売りで買ってずっとほったらかしていた映画「ハッカビーズ」を見る。ほんとは「皇帝ペンギン」も前売り買っててまだ見てないので、二本つづけてみようと思っていたのだが、起きられず断念。皇帝ペンギンはほんとのほんとに駆け込みになりそうだ。



 んで、ハッカビーズ。…ちょっと期待はずれだったかなー。予告編やチラシは見るとすっごく面白そうだったんだが(公式サイトもおしゃれなつくり)肝心の映画は…。キャストが豪華なんだけど半端な感じで釈然としないまま見終わって(でも買ってしまった)パンフレット(ショッピングバック風のつくりでこれがまたかわいい)読んでて「ぬぁにーこれがコメディだって?!」という感じ。全然笑うところなかった。一言で言うと「アメリカは病んでる」としか言いようのない。もしかしてアメリカに住んでる人だともっと楽しめるというかわかるんだろうと思うけど。
 唯一チャーミングだったのはダスティン・ホフマンとリリー・トムリン演じる「哲学探偵」夫婦。依頼者自身を探偵してしまうという変な稼業のふたり。尾行も聞き込みもめっちゃ駄々漏れ。…という前半は面白かったんだけど。けっこうホフマンが好きなのもあって予告編を見たときに「おおっ、ホフマンがこんな変な映画に出とるぞ」とわくわくしたのになあ…。
 何でもお手ごろな値段で買えるスーパー「ハッカビーズ」を舞台に繰り広げられるちょとブラックなおしゃれコメディかと思ってたら、あまりそのスーパーという舞台装置がうまく映画の中で生きてこなかった気がする。つうか、別にスーパーじゃなくてもいいじゃん。スーパーでもいいけど、タイトルにするほどの役割を物語の中で果たしてたかは微妙。
 「哲学探偵」という設定はすごい面白いし、いけてない自然保護運動家の主人公(ジュード・ロウは主役のような扱いかたをされているが、実は違う)だって悪くないと思う。でも「哲学探偵」から袂をわかったというよくわからんフランス女と主人公がいきなりセックスしちゃうのも意味わかんない展開だし、火事が起きてロウの恋人だったハッカビーズキャンペンガール役のナオミ・ワッツ911後おかしくなって妻に逃げられた消防士がいきなり恋に落ちたり、はぁ?って展開が多かった。むりに恋愛要素いれなきゃよかったのに。というわけで、この映画は後半ぐずぐずすぎ。主人公とフランス女優の泥まみれのセックスシーンがちょっとだけ話題になったようですが、なんていうか、笑えないドリフのコントのような絵だったよ。
 ロウ演じるイケメンで金持ってて人望もあって仕事もできるハッカビーズ新店舗事業をすすめるお兄ちゃんが何もかも失う、というラストも想像できたしそれがあまりにもありきたりでじぇーんじぇん面白くない。(でもロウの顔は面白い)この映画にはたくさんの皮肉がちりばめられていて、それは教養がないと完全には理解できないものなのかもしれないけど、ということをさておいても、やっぱおもろないわ。結局自分探し映画の一種に終ってしまっているのが残念。いろいろ面白いなーいいなーって思うところはあったのだが。

 やっぱりアメリカンジョークは分からないYO! ジュードロウが悲惨な目にあいすぎだとおもった。たとえいやみなやつでも、しょうもない詩を書いてる主人公より社会への貢献度は高いと思うのだが(笑)。あと消防士が石油に対して非常に強い嫌悪感を示しているのに(自動車に乗らないので出動できない)どー見ても化繊の服着てるとか、「現代アメリカと哲学」を笑いで描くぞという志の高さにたいして、悪い意味でゆるいつくりがめだった。

 いっそシリーズものにして(もちろん「哲学探偵」夫婦が狂言回しになって)テレビドラマとかでやったらいっそいいのに!と思った。映画館で二時間高い金を払ってみる内容ではなかったですね。

 ただ、音楽はよかった! サントラはほしいかも、です。