そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

パリパリパリ伝説

 友人Mの家は凱旋門にわりに近いところにある。このへんはけっこう高級住宅街とのこと。彼女のすむエリアも超高級とはいかないが会社のお金でなければ住めないようなお値段らしい。友人宅はけっこう古そうな建物ではあったが、パリは古いアパルトマンでもほぼオートロック完備である。今回の旅にあたっておすすめされた矢吹駆シリーズ第一弾「バイバイ、エンジェル」を読むと、第一の殺人現場であるアパルトマンの状況説明に「自動施錠」なんて書いてあって、この物語が書かれた当時(1979年)の日本では、まだまだオートロックなんて言葉もシステムもないに等しかったのだということが感じられて、そんな読み方もまた楽しいのだが、これはまあ余談。
 友人宅のアパルトマンに限ったことではないと思うが、なかなか強固なロックシステムで、まず玄関を暗証番号を入力して開け、その次の中扉を、プラスティックキーをさして開錠。おお、近代的!と感動していると、その先にあったのは…超かわいいエレベーター!  古い海外のドラマで出てくるような木枠+ガラス張りボックスなんである。ポワロのドラマ版なんかでみかけるような…。その分乗ったときはちょっと怖いけど(二人乗るといっぱいだし)、いきなりパリ気分。ドアは手動。まず鉄門をあけ、中のガラス扉をおして乗り込む。鉄門をきちんと閉めないとエレベーターが動かないのできっちりしめて行き先ボタンを押す。がこーんとちょっとおそろしい音がして、ゆっくりとガラス張りボックスがあがる。そのまわりを赤い布を真ん中に敷いた階段がらせん状にめぐっていて、これまた感動。部屋に通されてまた感動。一人暮らしサイズではあるのだけど、ヨーロッパ感にあふれる内装。窓からは中庭が見える。台所の床はツートンカラーのシックなタイル張りで、めちゃくちゃかわいい…(写真はのちほどアップします☆)
 シャワールームもガラス張りでかわいくて写真を撮りたかったのだけど、やっぱり年頃の女性のバスルームを世界に公開するのはちょと問題ありと思うので、そちらはごめんなさい。しかし、ふつーの家なのに、映画の世界っぽい。ステキだ、ステキすぎる。これだけでもうパリ気分が盛り上がるのだった。

 荷物をほどいたり、お土産を渡してしばしまったり。落ち着いたところで、お昼を食べに出かけることにする。メトロの駅に向かう道のり(短いけど)で早速発見したもの…それは、そう犬のウ○コ。「パリパリ伝説」にあったとおりではありましぇんか!!Mによると、やはりパリは犬のウンチョスが多いのだという。匂いもそこはかとなく漂っている。せっかくの美しい外観がこれではまずいというので、パリでは最近犬のウンチョス清掃人を税金で雇うことにして、以前ほどのことはなくなっているそうなのだが、合理的すぎるというか、本末転倒というか、「税金払ってるんだからウンチョスさせホーダイなわけね」ってことで以前にも増してウンチョスを片付ける飼い主がいなくなったとのこと。確かに、パリでは、いたるところで犬を見かけたけれど、ウンチョス袋なりスコップなりを持っている人は皆無であった。
 ちなみにパリは犬王国か? というくらいに犬だらけだった。カフェでもどこでもとにかく犬連れが多い。メトロにも犬連れがいっぱい。大型犬を連れてる人もたくさんいて、犬が怖い人は覚悟が必要かもしれない。しかしみんなおとなしくメトロに乗っていたし、しつけは(ウンチョス以外は)ちゃんとしてるのかなあ。反対に、猫は全然いない、という印象。この旅では結局3匹しか見なかった。犬は、もう何匹見たかわからないほど見ました。

 そんな伝説まんまのパリに感動しつつ、メトロで向かったのは、ノートルダム寺院があるエリア。お昼はシテ島でクレープ!という計画だったのだけど、お目当てのお店がお休み。ガクッ。しかしパリは犬も歩けばカフェに入るくらいな勢いでカフェ・ブラッセリーだらけなので、困らない。Mが友人と行ったという別のお店で、Mはオムレツセット、私はクラブハウスサンドイッチを注文。つけあわせのポテトフライが美味しかった☆ デザートにも惹かれたけれど、河岸をかえることにして、シテ島からカルチェ・ラタンへとメトロで移動。