そうさおまえはスターゲイザー

スターゲイザーは星を見つめるもの、という意味で、天文学者、とか、占星術師、とか、夢想家、という意味がある。らしい。編集者は言い換えると、スターゲイザーなのかも。

身がよじれるくらいの恋がしたいわ。

 GWは実家に帰ってハチクロ再読。
 山田と森田のコンビがけっこう好きだったりする。

 たまった本を読もうって思っていたのに、あーあ、またまえに読んだマンガを読んでしまった。というわけで「オルフェウスの窓」。どうにもならない歴史の流れにただただひとは翻弄されるだけなのか。悔しい。けど、毎回読むたび涙だだ漏れ。あいかわらずダーヴィドは好きだ。高校時代、同級生に借りてはじめて読んだときにあまりに好きすぎて、ダーヴィドの出る頁をすべてコピーするという暴挙に出てしまった。そのコピーが出てくるたび恥ずかしくてでも捨てられなかった大学生の頃。卒業時にようやく思い切って捨てたような気がするが今も実家の片隅に眠っているかもしれない。ダーヴィドはものわかりがよくてそのくせ毒舌で言いにくいこともはっきり言って女好き男好きで、きっと池田理代子自身も好きだったのだろう最後にとってもいい役回り。悲しすぎる物語のなかの救いとなっている。

 超おススメ本だけど、この物語は途中で読むことをやめられなくなるので、時間がたっぷりあるときに読まなくてはいけない。「●●さえ××なら…」という歯がゆさというか悔しさがオンパレードでものすごく体力使うので、体調は万全にして臨まれたい。「オルフェウスの窓」というタイトルは悲恋の伝説をあらわしたものなので、当然語られる恋の物語はみな悲しい。ハンカチおよびティッシュが必須。こんな恋がしたいわと思っても相応の容姿と根性と時代背景を必要とするので、今の時代はまず無理だ。というかこんな悲しい恋はしたくない。  したくないけど、激動の時代背景なんてなくたってつらくてたまらない恋はできてしまう。だけどいまどき根性があるだけじゃあ恋もはじまらない。クラウスだのイザークだのの超美形・超優秀な男が相手じゃなくたって、恋は実らない。

 「オルフェウスの窓」の恋に比べ「ハチクロ」の恋はささやかだ。ジャンポールエヴァンとくらべればリンツの恋。いやいやもっと簡単な明治チョコレートの恋。だけれど、山田は苦しむ。「自分のいちばん好きな相手が自分をいちばん好きになってくれる。それだけの簡単なことなのに一生かなわない気がする」。
 山田の恋心は現在迷走中のようだけど、とにかく幸せになってくれよな、と森田のように思う。がんばれ、山田。そしてすべての恋する女子。と男子(いちおうつけくわえておく)。